評価・状態: 得られるものがあった本★★☆
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刺激等価性――「空気」の本質。感情移入と非論理をつなげるもの記事ページ 発行: 2014年06月07日
山本 七平「「空気」の研究」と中川 淳一郎「ウェブはバカと暇人のもの」では、問題行動として感情移入を捉えていた。
言い換えるならば、人間は頭の中に、「AならばB」ならば「BならばA」だと結論する、非論理的な思考回路(サブルーチン)をもっており、感情移入(=共感)の際には、その思考回路が何度も何度も使用される(そのサブルーチンが何度も何度もコールされる)。 「AならばB」ならば「BならばA」だと結論する誤りは、"ミクロな誤り"(要素の誤り)であり、それが使われて得られる、個別と一般の確率を同じだと認識してしまう誤りは、"マクロな誤り"(全体現象に表れた誤り)だと位置づけることができる。 以上から導かれる、肝に銘じるべきこと ・「AならばB」であっても、「BならばA」ではない。 ・個別(確率が低い)と一般(確率が高い)を、切り分けて考えること。 |
ネットの勝利条件を「ウェブはバカと暇人のもの」から考える記事ページ 発行: 2010年11月13日
中川 淳一郎 : ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書, 2009)を読んだ。同書の副題は、「現場からのネット敗北宣言」である。しかし、私は“勝利条件”を書いた本であると考えた。理由を記す。 同書 p.243.
ここで、言葉を統一しておく。以下では、 「一般の人」「普通の人」「バカ」を、一般人、 「頭の良い人」を、上位者、 と表現する。 著者は、上位者とは異なった側面において、一般人にとっても、ネットを良いものだと評価しているのである。 ならば、ネット上の一般人がネットに損害をもたらさなければ、「ネットの敗北」にはならない。 私は、概して、一般人のネットにおける存在は、ネットに利益をもたらすと考えている。 しかし、ネットに損害をもたらすこともある。これを除外することがネットの“勝利条件”である。同書から私が抽出した勝利条件は、 (1) (上位者の)発言に対する非論理的な非難の削減、あるいは無為化 (2) 意見の多様化 (大数の一般人は、少数の一般人よりも質が高いと考えるが、大「数」が意味をもつためには意見が多様でなければならない) である。 (1)関連: 同書 p.90.
知的生産行為を高く評価する 正しく議論する (2)関連: 同書 p.229.
「意見サーチ」の公開を開始しました 知の生産者にとって「出口」である検索 少数意見を見つけ、伸ばせることをネットの魅力に 多様な価値観を求める |
感情移入。「空気」と「バカと暇人のウェブ」をつなぐ記事ページ 発行: 2010年12月05日中川 淳一郎 : ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書, 2009) p.37.
同書 pp.38-39.
山本 七平 : 「空気」の研究 (文春文庫, 1983) p.154.
感情移入が思考に大きな影響を与えることに関して A・プラトカニス & E・アロンソン=著, 社会行動研究会=訳 : プロパガンダ――広告・政治宣伝のからくりを見抜く (誠信書房, 1998) p.144.
直観が誤りをおかしやすい点 #1.3 判断の修正に失敗する 修正のヒューリスティクス・アンカリングのヒューリスティクス |
「社会によるメディアの総活用」の思想的意義記事ページ 発行: 2011年08月20日
メディア全体を活用して、より適切な解を導こう」に書いた、 |
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