「「考える技術」の教科書」

     

評価・状態: 得られるものがあった本★★☆



購入: 2008/10/25
読了: 2009/ 2/ 8

「ハーバード・ビジネス・レビュー」別冊 2008年12月号。

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この本からの引用、または非常に関連する記事

全 2 件

春から研究室に配属される理系新4回生へ。研究室選びでは研究内容の50年後を考えるべきだ

記事ページ 発行: 2009年03月24日

Abstract: Think of your study 50 years from now.

書こうと思って題材を集めたまま放置していたネタだけど、春から研究室に配属される理系新四年生のための心得 - ミームの死骸を待ちながらを読んで、ちょっくら焦りを感じて、まとめる気になった。


春から研究室に配属される理系新4回生にお伺いする。


  研究室選びにおいて、あなたは「研究内容」を考慮されますか?




回答が「はい」の人。あなたは、研究内容の未来を考えるべきだ。

どのぐらい先の未来を考えるべきかといえば、50年後が目安である。

企業の研究は、5年後に物になるもの。
大学の研究は、50年後に物になるもの。

これは、私が、学部4回生の4月に所属研究室を選ぶための見学をしていたときに、ある研究室の人に言われた言葉 * である。

なお、50年を超えて、500年後を考えて研究をしておられる方もいる **。しかし、まずは50年でいいだろう。

大学における研究は、企業ではできない研究だ。それができる「特権」を充分に享受できるように、研究内容の50年後を考えよう。


* 記憶に頼って書くので、正確な表現は異なるかもしれない。なお、言われた方は、現在、某大学で助教をされておられる。

** 超一流の頭脳が創造するソニーコンピュータサイエンス研究所. プロフェッショナル養成講座 「考える技術」の教科書, DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 別冊, 64-75 (2008-12) の内、p.70.

> ソニーCSL[:ソニーコンピュータサイエンス研究所] で求められているのは、過去の研究結果に修正を加えて積み上がるような既存分野の研究ではなく、新分野の創生だ。...

「その時々の流行でちやほやされるようなテーマは気にしない。それよりも一〇〇年経った時、五〇〇年経った時に、その研究が一冊の本になるのか。あるいは一つのチャプターか、主文のメイン・テキストか、フットノートか、アペンディックスか。あるいは書かれないのか」(北野氏 [:システム生物学者 北野 宏明 氏])


関連:
研究室配属ドキュメンタリー
http://mkynet.hp.infoseek.co.jp/webcic/lib/inw2/za_0304140.html#1

 

弱点を克服することは正しいのか

記事ページ 発行: 2011年01月29日

弱点だとされる性質を持った人間において、その弱点を克服することは正しいのだろうか。

その弱点をもちながらも、その人間は生きている。即ち、淘汰されていない。その弱点は、それを持っていても淘汰されることがない、些細な弱点にすぎない。

その弱点を克服することによって、他の弱点が生じるかもしれない。そして、その新たな弱点が、その人間が淘汰される原因になるかもしれない。
発想の元:
ジャーカー・デンレル : 思考力レッスン10, 5 選択バイアスの罠. 「考える技術」の教科書, DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 別冊, 50-54 (2008-12) p.54.

>生還した戦闘機が教えること

 選択バイアスについて統計の世界でよく引用されるエピソードを紹介しましょう。

 第二次世界大戦中、統計学者のエイブラハム・ワルドは、敵からの攻撃に対する戦闘機の脆弱性について調査していました。入手したデータはいずれも、ある部分の被弾頻度が他の部分のそれより過度に多いことを示していました。...

 彼の意見は、データに内在する選択バイアスを踏まえたものでした。得られたデータは帰還した戦闘機のものばかりです。ワルドは次のように推論しました。致命的な部位に被弾した場合、帰還できる可能性は低くなる。逆に、被弾しても帰還した戦闘機は、そのような致命的な部位を攻撃されたのではなかったと考えられる。それゆえ、ワルドはこう主張しました。「被弾に耐えて帰還した戦闘機の傷んだ部分を補強しても何の効果もない」


 

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