評価・状態: 私には合わなかった本☆☆☆
石島洋一 : 決算書がおもしろいほどわかる本 (PHP文庫, 1999) この情報は2024年6月現在の情報です。現在の状態はこちら。 |
理系的意思決定と文系的意思決定記事ページ 発行: 2007年02月22日
石島洋一 : 決算書がおもしろいほどわかる本 (PHP文庫, 1999)p.174. ここを読んで違和感を感じた。 8.0%と10.4%... ほとんど一緒やん! と。でも、これが理系的意思決定と文系的意思決定の違いではないかと考えた。 二つのもの a と b を比較するときにまずしなければならないのが「割り算」である。a / b をするのではない。a,b それぞれの背景にあるA, B を使って、a / A と b / B をするのだ。 しかし、これは意思決定ではない。a,b を同じ土俵に持ってきただけなのだ。 文系の考え方では、ここで、( a / A ) − ( b / B ) をして、意思決定をするのではないだろうか。つまり意思決定の手段は引き算である。 理系の考え方では、ここで再び割り算をする。 ( a / A )/( b / B ) 。 理系的考え方からすると、ここで値が 1.2 や 0.8 だったら a と b は「よく合っている」と結論付けるだろう。文系の考え方からすれば、20%の違いは大問題だ。でも、理系ではそれほど問題にならない。 おそらく理系はここで無意識に対数(log)を計算する。だから少しの慣れでオーダー(桁数)があっていれば「合っている」という判断を下せるようになる。 数式にしてみよう。 log{ ( a / A )/( b / B )} これは、変形できる。 log{ ( a / A )/( b / B )} = log( a / A ) − log( b / B ) ここで、文系の意思決定式を再登場させよう: ( a / A ) − ( b / B ) 理系の式と文系の式がよく似ていることが分かるだろうか。もしかしたら最終的な意思決定手段は、引き算でしかなのかもしれない。どちらが大きいか、小さいか、それだけである。 ただ、理系の場合には、対数をとる作業が途中で加わった形で、自らの判断に関して理解をする。実際に判断する場では、対数は複雑なので、2回対数を扱うのではなくて、割り算してから対数を考えることによって省力化している。 |
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