谷崎潤一郎 『痴人の愛』 「顔だちだって、いい事なんかありゃしないわ…

OpenAIのAI「GPT-4o」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 谷崎潤一郎 『痴人の愛』

現代語化

「顔立ちが良くても、別にいいことなんかないじゃん。譲治さん、あの子のこと美人だと思ってんの?」
「美人ってほどじゃないけど、鼻高いし、スタイルも悪くないし、普通にちゃんとしてれば見れる顔だろ?」
「は? なにが見れるよ! あんな顔、そこらにいっぱいいるし。しかもさ、西洋風に見せたくて色々やってるけど、全然そう見えないのが笑えるんだけど。猿みたいじゃん」
「あ、ところで浜田くんと踊ってるあの子、どっかで見たことある気がするんだけど」
「そりゃそうでしょ、あれ帝劇の春野綺羅子だよ」
「へえ、浜田くんって綺羅子さんと知り合いなの?」
「うん、知ってるんだよ。彼女、ダンスが上手いから、あちこちで女優さんたちと仲良くしてるのよ」

原文 (会話文抽出)

「顔だちだって、いい事なんかありゃしないわ。あんな女を譲治さんは美人だと思うの?」
「美人と云うほどじゃないけれども、鼻も高いし、体つきも悪くはないし、普通に作ったら見られるだろうが」
「まあ厭だ! 何が見られるもんじゃない! あんな顔ならいくらだってざらにあるわよ。おまけにどうでしょう、西洋人臭く見せようと思って、いろんな細工をしているところはいいけれど、それがちっとも西洋人に見えないんだから、お慰みじゃないの。まるで猿だわ」
「ところで浜田君と踊っているのは、何処かで見たような女じゃないか」
「そりゃ見た筈だわ、あれは帝劇の春野綺羅子よ」
「へえ、浜田君は綺羅子を知っているのかい?」
「ええ知っているのよ、あの人はダンスが巧いもんだから、方々で女優と友達になるの」


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