GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』
現代語化
「いや、俺が飲みすぎて腹こわしてさ」
「ところで、あの高輪の件、あいつはもったいなかったよな。俺ももう少し調べてたんだけど、今言った通り、体調崩してぐずぐずしてたら、伊豆屋の妻吉に先を越されちまった」
「おう、鋳掛屋の一件か。俺も聞いたけど、伊豆屋の縄張り内なんだから、先を越されるのは当然だろ」
「でも、実はまだ俺の腑に落ちないところがあるんだ。お前あの一件よく知ってるのか?」
「だいたいはね」
「露月町の鋳掛屋の平七、あいつが犯人として捕まったそうだけど、自供したのか?」
「しぶとい奴で、なかなか口を割らないそうだけど、伊豆屋も旦那衆も確信犯みたいで、もう大番屋に送ったらしいよ」
原文 (会話文抽出)
「湯屋熊。久しく見えなかったな。嬶でも又寝込んだのか」
「なに、わっしが飲み過ぎて少し腹をこわしてね」
「時に、あの高輪の一件、あいつは惜しいことをしました。わっしもちっと聞き込んでいたんですが、今も云う通り、からだを悪くしてぐずぐずしているあいだに、伊豆屋の妻吉に引き挙げられてしまいました」
「むむ、鋳掛屋の一件か。おれもその話は聞いたが、なんと云っても伊豆屋の縄張り内だから、先を越されるのは当りめえだ」
「だが、実はまだおれの腑に落ちねえところがある。おめえはあの一件をよく知っているのか」
「ひと通りは知っていますよ」
「露月町の鋳掛屋の平七、そいつが下手人として挙げられたようだが、白状したのか」
「強情な奴で、なかなか素直に口をあかねえそうですが、伊豆屋も旦那方もおなじ見込みで、もう大番屋へ送り込んだということです」