GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』
現代語化
「お前ら、雨が降ってるのに泥だらけで何騒いでるんだ?」
「へえ、どっちも気が早いもんで、つまらんことで喧嘩をしちゃいました。ご迷惑をおかけしました」
「喧嘩の内容もだいたいわかってる。平七、お前は3月21日の朝、鋳掛屋の庄五郎と一緒に川崎に行く約束をしたそうだな」
「へえ」
「この藤次郎と3人で行く約束だったそうだが、その朝はお前が1番先に行ってたな」
「いえ、出発前に庄五郎の家に行ったら、もう出て行ったって言われて」
「嘘つけ」
「お前が先に行ってたな?それで戻って家に行ったんだろ?正直に言え」
「いえ、出発前に寄ったんです」
「おいおい、面倒くせえな。もう早く話せ。お前の目当てはお国だろ?」
「俺も知ってるよ」
「お前、この正月に町内の湯屋の番頭とお国の噂をして、『あいつに旦那がいなきゃなあ』って言ったそうだが、本当か?」
「もういい。あとは親分や旦那が来て調べる」
原文 (会話文抽出)
「ひとりは鋳掛職の平七、ひとりは建具屋の藤次郎、それに相違あるめえな」
「てめえ達は雨のふる最中に、泥だらけになって何を騒いでいるんだ」
「へえ。おたがいに気が早いもんですから、つまらないことで喧嘩を始めました。お手数をかけまして相済みません」
「いや、喧嘩の筋も大抵わかっている。これ、平七。貴様は三月二十一日の朝、鋳掛屋の庄五郎と一緒に川崎へ行く約束をしたそうだな」
「へえ」
「この藤次郎と三人で行く約束をしたのだそうだが、その朝は貴様が一番さきに行っていたな」
「いえ。出がけに庄五郎の家へ声をかけましたら、もう出て行ったということでございました」
「嘘をつけ」
「貴様は先に行っていて、それから引っ返して家へ行ったのだろう。真っ直ぐに云え」
「いえ、出がけに寄ったのでございます」
「やい、やい。つまらねえ手数をかけるな。なんでも話は早いがいい。貴様は庄五郎の女房のお国という女に惚れているのだろう」
「おれはまだ知っている」
「貴様はこの正月ごろ、町内の湯屋の番頭とお国の噂をして、あの女に亭主が無ければなあと云ったそうだが、ほんとうか」
「もう、いい。あとは親分や旦那が来て調べる」