GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』
現代語化
「普通にお前さん一人を置いて行くことはないと思うけど」
「そう思うんだけど……」
「平さんは確かに来たんでしょ?」
「私も奥で寝てたから顔は見てないけど、平さんの声みたいだったわよ」
「それから親方も一度帰ってきたよ」
「え、親方も?」
「私も見なかったけど、親方の声で平さんは来なかったか聞いたから、来ませんって言ったら、そのまま行っちゃった」
「そうすると、平さんと親方がどこかで行き違ったのかな」
「それがまたどこかで会って、2人で行こうってなったんですかね」
「そんな無責任なことはしないと思うんだけどねえ」
「平さんも親方も、あんなに約束したのに、あなたを置いて行くなんて……」
原文 (会話文抽出)
「どうしたんでしょうねえ」
「なんぼ何でもおまえさん一人を置き去りにして行くようなことはないでしょう」
「と思うのだが……」
「平公は確かに来たんだね」
「わたしも奥に寝ていたので、顔を見たのじゃありませんけれど、どうも平さんの声のようでしたよ」
「それから親方も一度帰って来ましたよ」
「あら、親方も帰って来たの」
「わたしも出て見やあしませんけれど、親方の声で平さんは来なかったかと訊きましたから、来ませんと云ったら、それっきりで行ってしまいました」
「そうすると、平さんと内の人とは何処かで行き違いになったんだろうね」
「それが又どこかで出逢って、いっそ二人で行ってしまおうということになったのかな」
「そんな義理の悪いことをする筈はないんですがねえ」
「平さんだって内の人だって、あれほど約束して置きながら、おまえさんを置き去りにして行くなんて……」