岡本綺堂 『半七捕物帳』 「よし、判った、判った。こりゃあ何かの間違…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「わかった、わかった。これは何か間違いに違いない。朝っぱらから迷惑かけて、本当に悪かった。まあ、許して帰ってくれ」
「じゃあ、もう帰ってもよろしいですか」
「本当に許してくれよ。そのうち何かでお返しするから」
「どういたしまして、恐縮です。それではこれで失礼します」
「あの野郎、横着なやつだな。今日は無事に帰してやったけど、すぐに証拠をつかんでもう一度引きずり出してやるからな」
「まあ、興奮するなよ」
「あの野郎、猫をなくしたに違いない。さっきからの様子でだいたいわかってる。でも、それをむやみに隠すのがわからない。ここでいつまでも言い争っても話はまとまらないから、今は大人しく帰してやって、あいつの家の近所に行ってそっと聞いてみるのがいい。お仕事が終わったから今日も暇だし、お昼を食べてから一緒にぶらぶら出かけよう」
「あなたが一緒に来てくれなくても大丈夫です。あの野郎、俺に恥をかかせやがったから、絶対に証拠をつかんで、痛い目に遭わせてやります」

原文 (会話文抽出)

「よし、判った、判った。こりゃあ何かの間違いに相違ねえ。おまえさん、朝っぱらから飛んだ迷惑をさせて、どうもお気の毒でした。まあ、堪忍して帰ってください」
「じゃあ、もう帰りましても宜しゅうございますか」
「ほんとうに堪忍しておくんなせえ。そのうちに何かで埋め合わせをするから」
「どう致しまして、恐れ入ります。じゃあ、これで御免を蒙ります」
「あの野郎、横着な奴だ。きょうは無事に帰してやっても、すぐに証拠をあげてもう一度引き摺って来てやるから覚えていやあがれ」
「まあ、熱くなるな」
「あの野郎、猫をなくしたに相違ねえ。さっきからの様子で大抵わかっている。だが、それをむやみに隠すというのが判らねえ。ここでいつまでも云い合っていても論は干ねえから、今はおとなしく帰してやって、あいつの家の近所へ行ってそっと訊いて見る方がいい。御用仕舞いでおれもきょうは暇だから、午飯でも食ってから一緒にぶらぶら出かけて見よう」
「おまえさんが一緒に来てくんなさりゃあ大丈夫です。あの野郎、おれに恥をかかしゃあがったから、邪が非でも証拠をあげて、ぎゅうという目に逢わしてやらにゃあならねえ」


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