GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』
現代語化
「じゃあ、本当の仮面って見つからなかったんですか?」
「見つからなかったみたいですね」
「それともその後どこかで見付けたのかもしれないけど、当時は何でも秘密にしていた時代ですから、関係者以外にはわからないでしょうね」
原文 (会話文抽出)
「それがおかしいんです。その屋敷では浅五郎の云うことを一途に信じて、あわててその仮面を取り戻そうとしたんですが、浅五郎の逐電から疑いを起して、今度は眼のきいている者を掛け合いによこすと、伊藤の店さきには麗々しくその仮面がかけてある。よく視ると、それはなるほど上作には相違ないが、屋敷にあった由緒付きの仮面とは違うので、この上は掛け合いも無用と、そのまま帰ってしまったのだそうです。まったく馬鹿な話で、伊藤がひとり貧乏くじをひいたわけです」
「すると、ほんとうの仮面というのは知れずじまいですか」
「知れなかったようです」
「それとも其の後どこかで見付けたかも知れませんが、万事が秘密主義の時代ですから、それに係り合った者でなければ判りませんよ」