岡本綺堂 『半七捕物帳』 「旦那に逢いたいと云って、立派なお武家がみ…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「旦那に会いたいという立派な武士が来ました」
「どなたですか?」
「初めての方のようです」
「お店に案内して、お茶を出しておきなさい」
「わたくしが主人の孫十郎です。お待たせしました」
「早速なんですけど、昨日まであそこに飾ってた生成の仮面、あれはどうなりました?」
「それは今朝売約済みになりました」
「あ、それは残念。では、その買い手はどこのどなたですか?」
「最近無理な相談ですが、どうでしょうか、その買い手をどうにかキャンセルしてくれるわけにはいきませんか?」
「それはそうですね」
「手付金も頂いてますので……」
「それはわかっています。こちらの勝手も重々承知しておりますが、何とか取り計らっていただけませんか?」

原文 (会話文抽出)

「旦那に逢いたいと云って、立派なお武家がみえました」
「どなただ」
「初めてのお方のようでございます」
「店へお上げ申して、お茶をあげて置け」
「わたくしが亭主の孫十郎でございます。お待たせ申しました」
「早速だが、きのうまであすこにかかっていた生成の仮面、あれはどうしたな」
「あれはけさほど御約束が出来ました」
「あ、それは残念。して、その買い手は何処のなんという人だ」
「近ごろ無理な相談ではあるが、どうであろう、その買い手の方をなんとか破談にしてくれるわけには行くまいか」
「そうでございますな」
「なにぶんにも、もう手金まで頂戴して居りますので……」
「それは判っている。当方の無理も万々承知しているが、そこをなんとか取り計らってはくれまいか」


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