岡本綺堂 『半七捕物帳』 「どうだね、もうすっかりいいかえ」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「どうだい、もうすっかり良くなったのかい?」
「ありがとうございます。おかげさまで、すっかり治りました。お騒がせして申し訳ありませんでした。おかみさんもよろしく伝えてくださいと言ってました」
「とにかく、早く良くなってよかったよ」
「ところで備前屋の娘はどうしたんだい?その後も具合が悪いみたいだって噂だけど……」
「そうです。しばらくはフラフラしていて、時々『熊が出た』って騒ぐので、親たちも困ってたみたいですね。備前屋は店の割に奥が狭いもんですから、もう一度、橋場の離れの座敷を借りて、そこでゆっくり休ませようかとか言ってましたが、最近は大分良くなったみたいなので、どうなりますかね」
「なるほど、それは困ったね」
「せっかく助けてもらっても、その後がそれじゃあ何にもならない。でも、そういう病気にはむやみに薬を飲んでもダメだよ。どこか静かなところへ行って、ゆっくりと気を落ち着けてたら、自然に治るだろうよ」
「そうですね」<ctrl100>

原文 (会話文抽出)

「どうだね、もうすっかりいいかえ」
「ありがとうございます。お庇さまで、もうすっかりと癒りました。その節はいろいろ御心配をかけまして恐れ入りました。おかみさんもくれぐれも宜しく申してくれと云って居りました」
「なにしろ、早く癒ってよかった」
「時に備前屋の娘はどうしたね。その後病み付いているとかいう噂だが……」
「そうでございます。一時は何だかぶらぶらしていて、ときどきに熊が出るとか云って騒ぐので、親たちも困っていたそうでございます。備前屋は店の大きい割合に奥が狭いので、もう一度、橋場の離れ座敷を借りて、そこでゆっくり養生させようかなどと云っていたそうですが、この頃は大分いいとか云いますから、どうなりますか」
「なるほど、そりゃあ困ったね」
「折角お前に助けて貰っても、あとがそれじゃあ何にもならねえ。しかし、そういう病気じゃあむやみに薬を飲んでもいけねえ。どこか閑静なところへ行って、ゆっくりと気を落ち着けていたら、自然に癒るだろうよ」
「そうかも知れません」


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