GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』
現代語化
「命の恩人に嘘つくのは悪いことだ。これからは正直に答えてくれ、じゃなきゃいかねぇぞ」
「はい」
「もう一回言うけど、嘘つかないって約束だぞ」
「お前に、前に嘘をついたよな」
「いや、そんな」
「下にいるのは子分の亀吉って奴で、実は昨日川越から帰ってきたんだ。俺の方も一通りは調べてある。お前は俺に隠してるけど、弟の居場所知ってるんだろ。今日は花川戸のお葉のところにも寄って、帰り道で丁度お前に会ったんだ。さあ、正直に言え。俺から言ってもいいんだけど、それじゃお前の為にならない。お前が自分の口から正直に話して、前の嘘の罪ほろぼしをした方が良い。それとも最後までしらばっくれて、嘘をつき通すか」
原文 (会話文抽出)
「もうひと足の所でおめえはどぶんを極めるところだった。それを助けた半七はまあ命の親というものだろう」
「命の親に嘘を云うのは良くねえことだ。これからは正直に返事をしてくれねえじゃあいけねえよ」
「はい」
「いいかえ。嘘を云わねえ約束だよ」
「おめえはこの間、おれに嘘をついたね」
「いいえ、そんな」
「下に来ているのは子分の亀吉という奴で、実はきのう川越から帰って来たのだ。おれの方でもひと通りは調べてある。おめえはおれに隠しているが、弟のゆくえを知っているのだろうな。きょうは花川戸のお葉のところへも廻って来て、その帰り道で丁度におめえに逢ったのだ。さあ、正直に云ってくれ。おれの方から云って聞かせてもいいが、それじゃあおめえの為にならねえ。おめえの口から正直に種を明かして、このあいだ嘘をついた罪ほろぼしをした方がよかろうぜ。それとも何処までも強情を張って、嘘を云い通すのか」