GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』
現代語化
「4畳半の方でした。庄八、長次郎、和吉という店の者と一緒にいました。庄八は衣装の手伝いをして、長次郎はお湯やお茶の世話をしていたようです。和吉は役者で、千崎弥五郎を演じていました」
「それから、変な質問ですが、若旦那は芝居の他に何か趣味がありましたか」
「まだご結婚はしてないようですね」
「結婚相手は内定しています」
「ここまで来たら何もかもお話ししますが、実は仲居のおふゆって女と関係がありました……。でもその女は容姿もいいし、性格も悪くないので、世間には知られずに内々に仮の結婚式を挙げて、正式に嫁入りさせてしまった方がいいんじゃないかなどと、ご両親も内々で相談していたんですが、こんなことになるとは思いもよらなかった。つまり両方の運が悪かったんです」
「そのおふゆってのは何歳で、どこの人ですか」
「17歳で、品川の人です」
「どうでしょう。そのおふゆって女にちょっと会わせていただくことはできますか」
「まだ若いことと、かくたろうが突然あんなことになったので、気抜けしたようにぼうっとしてますから、まともなご挨拶はできないと思いますが、ご希望であればいつでもお目にかけます」
「できれば早い方がいいので、差し支えがなければ、すぐにご案内いただけませんか」
「わかりました」
原文 (会話文抽出)
「若旦那は八畳にいたんですか、四畳半の方ですか」
「四畳半の方におりました。庄八、長次郎、和吉という店の者と一緒に居りました。庄八は衣裳の手伝いをして、長次郎は湯や茶の世話をしていたようでした。和吉は役者でございまして、千崎弥五郎を勤めて居りました」
「それから、おかしなことを伺うようですが、若旦那は芝居のほかに何か道楽がありましたかえ」
「お嫁さんの噂もまだ無いんですね」
「それは内々きまって居りますので」
「こうなれば何もかも申し上げますが、実は仲働きのお冬という女に手をつけまして……。尤もその女は容貌も好し、気立ても悪くない者ですから、いっそ世間に知られないうちに相当の仮親でもこしらえて、嫁の披露をしてしまった方が好いかも知れないなどと、親達も内々相談して居りましたのですが、思いもつかない斯んなことになってしまいまして、つまり両方の運が悪いのでございます」
「そのお冬というのは幾つで、どこの者です」
「年は十七で、品川の者です」
「どうでしょう。そのお冬という女にちょいと逢わして貰うわけには参りますまいか」
「なにしろ年は若うございますし、角太郎が不意にあんなことになりましたので、まるで気抜けがしたようにぼんやりして居りますから、とても取り留めた御挨拶などは出来ますまいが、お望みならいつでもお逢わせ申します」
「なるたけ早いがようございますから、お差し支えがなければ、これからすぐに御案内を願えますまいか」
「承知いたしました」