岡本綺堂 『半七捕物帳』 「いま帰りました」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「ただいま帰りました」
「やあ、ご苦労さん」
「どうだ、わかったか」
「わかりました。まず大泉って奴を訪ねたら、こいつは最近来た人間で、シマダのことはよく知らないって言うんです。それから橋本って奴のところに行ったら、これはだいたいのことを知ってました。橋本の話によると、シマダは長崎生まれで、年頃は28、9歳、江戸にも2、3年いたことがあるらしいけど、おととし頃から横浜に来て写真を始めたんだそうです。去年の火事の後、神奈川の本宿に引っ込んで、西の町に住んでるそうです。女房はおらず独り者で、吾八って若い弟子と二人っきりで男世帯をやってるって話です」
「シマダの名前はなんだ?」
「庄吉です。酒はちょっと飲むけど、特に道楽もなくて、評判も悪くないそうです。写真の修行でハリソン家に自由に出入りしてることは、仲間内でも皆知ってて、本人も俺には西洋人がついてるんだとか自慢してるそうです。それで、親方、どうしますか。明日は早朝に神奈川に行ってみますか」
「うーん。コックと女中を調べたいんだが、逮捕されてたら面倒だ。とりあえず明日は神奈川に行ってみよう。本人が留守でも弟子が残ってるだろう」
「じゃあ、明日また出直してきます」

原文 (会話文抽出)

「いま帰りました」
「やあ、御苦労」
「どうだ、判ったか」
「わかりました。最初に大泉という奴をたずねると、こいつは近ごろ来た人間で、島田のことはよく知らねえと云うのです。それから橋本という奴のところへ行くと、これは大抵のことを知っていました。橋本の話によると、島田は長崎の生まれで、年頃は二十八九、江戸にも二、三年いたことがあるそうですが、おととし頃から横浜へ来て写真を始めたのです。去年の火事に焼けてから神奈川の本宿へ引っ込んで、西の町に住んでいるそうですが、女房子のない独り者で、吾八という若けえ弟子と二人っきりで男世帯を張っていると云うことです」
「島田の名はなんというのだ」
「庄吉です。酒はすこし飲むが、別に道楽もない様子で、世間の評判も悪くないそうです。写真の修業のためにハリソンの家へ出入りをしていることは、仲間内でもみんな知っていて、本人もおれは西洋人について修業しているのだなどと自慢していると云うことです。そこで、親分、どうします。あしたは早々に神奈川へ行ってみますか」
「むむ。コックと雇い女を調べてえのだが、引き挙げられていちゃあちっと面倒だ。ともかくもあしたは神奈川へ行ってみよう。本人は留守でも弟子が残っているだろう」
「じゃあ、あした又出直してまいります」


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