岡本綺堂 『半七捕物帳』 「おまえさんの手は白いのね。まるで女のよう…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「お兄さんの手、白いッスね。まるで女みたい」
「怠け者の証拠が出たわね」
「今夜なんか急に寒くなりましたね」
「そりゃあこんな山の中だもん。それに今日は霧も深かったから、明日は雪降るかもよ」
「山越しに降られたら大変だ。お天気になりますように、妙義さまにお祈りしといてよ」
「いやよ」
「山越えができなくなるように、明日はドカドカ降ってくれればいいのに。妙義の山の女に吸い付かれたら、山ヒルより怖いんだから、覚悟しといたほうがいいわよ。ねえ、そうしてよね」
「いや、そうはいかねえよ。ちょっと急ぎの旅だから」
「急ぎの旅なら坂本から碓氷に出るのが普通なのに、わざわざ裏道から妙義の山越しをするなんて、1日や2日どうってことないでしょ」

原文 (会話文抽出)

「おまえさんの手は白いのね。まるで女のようだよ」
「怠け者の証拠がすぐにあらわれた」
「今夜はなんだか急に寒くなったようだ」
「そりゃあ此の通りの山の中ですもの。それにきょうは霧が深かったから、あしたは降るかも知れない」
「山越しに降られちゃあ難儀だ。お天気になるように妙義様へ祈ってくれ」
「いやさ」
「山越しの出来ないように、あしたは抜けるほど降るがいい。妙義の山の女に吸い付かれたら、山蛭よりも怖ろしいんだから、そのつもりで腰を据えていることさ。ねえ、そうおしなさいよ」
「いや、そうは行かねえ。少し急ぎの道中だから」
「急ぎの道中なら坂本から碓氷へかかるのが順だのに、わざわざ裏道へかかって妙義の山越しをするお客様だもの、一日や二日はどうでもいい」


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