GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』
現代語化
「やっぱり狐か狸がいたずらしてるんじゃないかな? あの2人は獣みたいなものを見たって言うし」
「それも否定できないけど、小隊長の言う通り、なんか人間っぽい匂いがするよな」
「でも、なんでそんないたずらするのか分からないから、どこから手をつけていいか見当がつかない。こうなったら、手掛かりのあるところから調べていくしかないね。弥助、おめえは天神下に行って、藤屋のお房って女を調べろ。本人に気づかれないようにな。亀、おめえは鮎川って歩兵の動きに注目してくれ。今日の感じだと、お房と鮎川は関係があるかもしれないからな」
「茶袋め、粋なことしてるな」
「了解しました。気を付けます」
「お房には兄がいるはずだけど、あいつは小博打とかやってるらしいよ」
「もしかしたら、その茶袋もやくざで、隊に入る前からお房を知ってたかもしれないね」
「じゃあ、色恋沙汰で誰かが切ったのかな?」
「でも、切られたのは11人だって言うし、まさかみんなが色恋沙汰で切られたわけじゃないだろ? そんなにモテモテなら、茶袋も世間から可愛がられるはずだ。まあ、とにかく行ってくる」
原文 (会話文抽出)
「世間じゃあ豹だなぞと云うが、まさかに豹が町なかへまぐれ込みもしめえが……」
「何かやっぱり狐か狸がいたずらをするのじゃありませんかね。現にその二人は、獣のようなものに出逢ったと云うじゃあありませんか」
「そんな事がねえとも云えねえが、小隊長の云う通り、どうも人間らしい匂いがするな」
「だが、なぜそんないたずらをするのか、そのわけが判らねえので、どこから手を着けていいか見当が付かねえ。こうなると、なんでも手掛かりのある所から手繰って行くよりほかはねえ。弥助、おめえは、天神下に行って、藤屋のお房という女をしらべてくれ。なるべく当人に覚られねえようにするがいいぜ。亀、おめえは鮎川という歩兵の出這入りに気をつけてくれ。きょうの様子じゃあ、お房と鮎川とは訳があるかも知れねえからな」
「茶袋め、しゃれた事をしやあがる」
「ようがす。よく気を付けましょう」
「お房には兄貴がある筈で、そいつは何か小博奕なんぞを打つ奴らしいですよ」
「ひょっとすると、その茶袋もやくざ者で、隊へはいらねえ前からお房を識っているのかも知れませんね」
「じゃあ、色の遺恨で誰かがちょん切ったかな」
「だが、切られたのは十一人だと云うから、まさかみんなが色の遺恨を受ける覚えもあるめえ。そんなに色男が揃っているなら、茶袋だって世間から可愛がられる筈だ。まあ、なにしろ行って来ます」