岡本綺堂 『半七捕物帳』 「おめえの一存で貸したのかえ」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「あんたの判断だけで貸したのか?」
「帳場に行って女将さんに相談したら、『大丈夫なのかい?』って言うんです。『大丈夫でしょう』って私が言ったから、女将さんも承知して貸すことになったんです。でもずっと支払いがなくて、女将さんが私を叱って、『あんたが責任持ったんだから、取り立てて来なさい』って言うんです。だからこの間から取り立てに来てるんですけど、『今は訓練中だから会えない』とか、『今日はお祭りで外出した』とか言って、いつ行っても会わせてくれないんです」
「それは困ったね」
「第二小隊の人たちは割とおとなしいみたいだけど、やっぱりダメなんですね」
「第二小隊……。その4人は誰だっけ?」
「鮎川さん、三沢さん、野村さん、伊丹さんです」
「鮎川さん……。丈次郎ってやつか?」
「はい、丈次郎らしいです」
「他の人たちは知らないけど、その鮎川さんはあんたのところには顔を出せないはずだよ。足切られたからな」
「あら、それじゃあ鮎川さんも……。まあ」

原文 (会話文抽出)

「おめえの一存で貸したのかえ」
「帳場へ行っておかみさんに話すと、おまえ大丈夫かえと云うんです。ええ大丈夫でしょうと、あたしが云ったので、おかみさんも承知して貸すことになったんです。それが今まで埓が明かないので、おかみさんはあたしを叱って、おまえが請け合ったんだから、催促して取って来いと云う。そこで、このあいだから催促に来るんですけれど、今は調練の最中だから面会は出来ないの、きょうはドンタクで外出したのと云って、いつでも逢わせてくれないんです」
「そりゃあ困るな」
「第二小隊の人達は割合いにおとなしいようですけれど、やっぱりいけないんですねえ」
「第二小隊……。その四人はなんという人だえ」
「鮎川さん、三沢さん、野村さん、伊丹さんです」
「鮎川さん……。丈次郎というのか」
「ええ、丈次郎というのです」
「ほかの人は知らねえが、その鮎川さんはおめえの所へ顔出しは出来ねえ筈だ。えてものにちょん切られたのだからな」
「あら、それじゃあ鮎川さんも……。まあ」


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