GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』
現代語化
「はい」
「長くいたか?」
「いいえ、玄関で……」
「家に入らずに帰ったのか? 普段はそうなのか?」
「いいえ」
「昨日は政吉って人も来てたけど、あれはお前の従弟か?」
「仕事で調べてるんだから、隠すなよ。隠居が帰った後で、政吉はどこかに出かけたろ?」
「隠さずに言え。はっきり言うが、下谷の隠居が中の郷の川端で誰かに怪我させられて、首から下げてた財布を取られたらしいんだ。それを調べに来た。お前も隠してて巻き込まれるなよ。知ってることは全部ちゃんと話さないと、お前のためにならないぞ」
原文 (会話文抽出)
「下谷の隠居さんはゆうべ来ましたか」
「はい」
「よっぽど長くいましたか」
「いいえ、あの門口で……」
「家へあがらずに帰りましたかえ。いつもそうですか」
「いいえ」
「ゆうべは政吉さんという人が来ていましたが、あの人はおまえさんの従弟ですか」
「御用で調べるんだから、隠しちゃあいけねえ。隠居の帰ったあとで、政吉はどこかへ出て行ったろう」
「隠さずに云ってくれ。こうなれば判然云って聞かせるが、下谷の隠居は中の郷の川端で誰かに疵をつけられて、首にさげていた財布を取られたので、おれはそれを調べに来たんだ。おめえも隠し事をして、飛んだ引き合いを食っちゃあならねえ。知っているだけのことはみんな正直に云ってしまわねえと、おめえのためにならねえぜ」