GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』
現代語化
「後の面倒が面倒だと思うのか」
「それもありますが……。おかみさんがいい人ですから、そう難しいこともあるまいと思いますが……。この間も申し上げた通り、あそこの寮へ行って、お姉さんのそばに座っていると、何だかぞっとしてどうしても我慢できないんです。どういうわけか、自分にも全く分かりません」
「あそこの店で最近死んだ女でもあるのか」
「そんな話は聞きません。大地震の時には大勢死んだそうですが、その後は一人もいないようです。なにしろ、前の旦那と違って、おかみさんも若旦那も優しい人たちですから、抱えの女の子たちをいじめたという噂もありませんし、心中した女の子もいないようです」
「よし、わかった。今日のことは誰にも言うなよ」
「どうしても、今度はその寅松って奴を見つけ出さなきゃならねえ」
原文 (会話文抽出)
「それほど可愛がってくれるところへ、お前はなぜ忌がって寄り付かねえんだ」
「あとの係り合いが面倒だと思うのか」
「それもありますが……。それはおかみさんがいい人ですから、そうむずかしいこともあるまいと思いますが……。このあいだも申し上げました通り、あすこの寮へ行って、花魁のそばに坐っていますと、何だかぞっとしてどうしても我慢が出来ないのでございます。どういう訳ですか、自分にも一向わかりません」
「あすこの店で此の頃に死んだ女でもあるかえ」
「そんな話は聞きません。大地震の時には大勢死んだそうですが、その後は一人も無いようです。なにしろ、先の旦那と違って、おかみさんも若旦那も善い人ですから、抱えの妓どもをいじめたという噂も無し、心中した妓もないようです」
「よし、判った。きょうのことは誰にも云っちゃあならねえぜ」
「どうしても、今度はその寅松という野郎を探し出さなけりゃあならねえ」