GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』
現代語化
「そうなのか」
「そんなことがあるんですか。俺も全く知りませんでした。土地のことだけに重兵衛は目ざといですね。そのおみくじ売りの娘というのは顔がいいんだな。年は16、7……。ふーん、間違えがありそうな年頃だな。名前は何っていうんだ」
「おきんというそうです。親分も何かお考えがありますか」
「まだ確かなことは言えないが、少し気になることがある。まあ無駄足だと思って、その金杉へ行ってみようよ。お前もご苦労だが、一緒に来てくれ」
「おう」
「誰袖の家は金杉だな」
「どっちから先にしようか。まあ、やっぱりおみくじ売りの方から取りかかろう。お前、そのおきんって娘の家を知ってるのか」
原文 (会話文抽出)
「こりゃあ別の話ですがね。やっぱり金杉の方から吉原へ辻占を毎晩売りに来る娘があるんです。十六七で、容貌がいいのに声がいいというので、廓でもだいぶ評判になって、素見なんぞは大騒ぎをしていたんだが、それがどうしてか、去年の暮頃からちっとも姿を見せなくなってしまったので、おせっかいの奴らがいろいろ詮議したがどうもわからない。たぶん情夫でも出来て、駈落ちでもしたんだろうということになってしまったんですが、田町の重兵衛はそれに何か目星をつけた事でもあるのか、子分に云い付けてその娘のゆくえを捜させているそうです」
「そうか」
「そんなことがあるのか。おらあちっとも知らなかった。土地のことだけに重兵衛は眼が早えな。その辻占売りの娘というのは容貌がいいんだな。年は十六七……。むむ、間違げえのありそうな年頃だ。名はなんというんだ」
「おきんというんだそうです。親分も何かお考えがありますか」
「まだ確かなことは云えねえが、少し胸に浮かんだことがある。まあ無駄足だと思って、その金杉へ行ってみようよ。おまえも御苦労だが、一緒に来てくれ」
「ようがす」
「誰袖の家は金杉だな」
「どっちを先にしようか。まあ、やっぱりその辻占売りの方から取りかかろう。おまえ、そのおきんという娘の家を知っているのか」