GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』
現代語化
「お時さん。だめですよ。今日はこれから遊郭に約束があるんですから、まあ許してくださいよ」
「それじゃあ私が困るんですよ。按摩師はほかにもたくさんいるけど、花魁はあなたが贔屓で、ほかの人じゃダメって言ってるんだから、素直に来てくれないと、私が本当に困るんですよ」
「贔屓にしていただくのは本当にありがたいことで、いつもお礼を申し上げていますが、今日は何しろ前からのお約束がありますので……」
「嘘をつかないでくださいよ。あなたはこの頃毎日そんなことを言ってるんですもの。花魁だって私だって、本当にそう思ってますか。ぐずぐず言わないで早く来てくださいよ。せっかちな人ですねえ」
「でも、だめですよ。本当に今日は勘弁してください」
原文 (会話文抽出)
「ちょいと、徳寿さん。おまえさんも強情だね。まあ、ちょいと来ておくれと云うに……」
「お時さん。いけませんよ。きょうはこれから廓にお約束があるんですから、まあ堪忍しておくんなさいよ」
「それじゃああたしが困るんだからさ。按摩さんはほかにも大勢あるけれども、花魁はお前さんが御贔屓で、ほかの人じゃあいけないと云うんだから、素直に来てくれないと、あたしが全く困るんだよ」
「御贔屓にして下さるのはまことにありがたいことで、いつもお礼を申しているのでございますが、きょうは何分にも前々からのお約束がありますので……」
「嘘をおつきよ、お前さんは此の頃毎日そんなことを云っているんだもの。花魁だってあたしだって本当に思うかね。ぐずぐず云ってないで早く来ておくれよ。焦れったい人だねえ」
「でも、いけませんよ。まったくきょうばかりは堪忍して下さい」