岡本綺堂 『半七捕物帳』 「どういうものか、きょうは酔わねえ」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「なんだかせえねえけど、今日は酔わねえな」
「もう飲まねえのか」
「おい、俺1人で飲んでちゃ、なんだか寂しくて面白くねえ。お前も飲まねえかよ」
「おい。なんとか返事しろよ。寂しくて面白くねえ」
「おい。お前はなんで黙ってるんだ」
「そりゃあこっちが聞くことだ」
「お前はなんで黙ってるんだ」
「黙ってるってんじゃねえ。お前が黙ってるんだ」
「それじゃ俺が聞くことを、なんで答えねえんだ」
「だって、何も知らねえんだ」
「絶対知らねえのか。知らなきゃ聞く必要ねえだろ。俺が黙ってるから、お前も黙ってろ」
「もう黙ってねえられねえ」
「それじゃ言うのか」
「言うよ、言うよ」
「嘘つくなよ」
「嘘はつかない。全部言うよ」
「まあ、待て」
「さあ、俺の方からは1つ1つ聞かねえ。お前が知ってるだけのこと全部話せ」
「俺がベラベラ喋った後で、お前はどうするんだ」
「どうもしねえよ、助けてやるよ」
「助けてくれるのか」

原文 (会話文抽出)

「どういうものか、きょうは酔わねえ」
「おめえはもう飲まねえのか」
「おい、おれ一人で飲んでいちゃあ、なんだか寂しくっていけねえ。おめえも飲まねえかよ」
「おい。なんとか返事をしてくれねえかよ。寂しくっていけねえ」
「おい。おめえはなぜ黙っているんだよ」
「そりゃあこっちで云うことだ」
「おめえはなぜ黙っているんだよ」
「黙っていやあしねえ。おめえが黙っているんだ」
「それじゃあ俺の訊くことを、なぜ云わねえ」
「だって、なんにも知らねえんだ」
「きっと知らねえか。知らなけりゃあ訊かねえまでのことだ。おれも黙っているから、おめえも黙っていろ」
「もう黙っちゃあいられねえ」
「それじゃあ云うか」
「云うよ、云うよ」
「嘘をつくなよ」
「嘘はつかねえ。みんな云うよ」
「まあ、待て」
「さあ、おれの方からは一々訊かねえ。おめえの知っているだけのことを残らず云ってしまえ」
「おれがべらべらしゃべってしまった後で、おめえは俺をどうするんだ」
「どうもしねえ、助けてやるよ」
「助けてくれるか」


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