岡本綺堂 『半七捕物帳』 「それで、黒沼の家はどうなるでしょう」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「それで、黒沼の家はどうなるんですか?」
「今度こそは家断絶だろうな」
「先月も表面化したら大変だったけど、伝兵衛が急死したってことで一応つなぎとめておいたんだ。それは組頭も知ってる。その矢先にまたこんな事件だ。養子が家出する、嫁入り先だった娘が自害する。じゃどうしようもねえだろ」
「そもそも先月、隣の家がつぶれてたら、こんなことにならなかったのに……」
「今さらそんなこと言ってもしかたねえ。何しろ娘が悪いんだ。幸之助も悪いが、お北も悪い。つまりは双方に罪があるってことだ。だからお仕置きをするしかないんだ。俺はもう覚悟してる。お前らもそのつもりでいろ」
「さっきも言ったけど、俺は仕事がある身だ。仕事ほったらかして娘を探し回ってるわけにはいかねえ。お前は部屋住みだろ?これから江戸中を毎日探し回って、姉さんの居場所を見つけ出してこい。途中で出会ったら、無理やり連れて帰ってこい」

原文 (会話文抽出)

「それで、黒沼の家はどうなるでしょう」
「今度こそは断絶だろうな」
「先月の時にも表向きにすればむずかしかったのだが、伝兵衛急病ということにして先ず繋ぎ留めたのだ。それは組頭も知っている。その矢さきへ又今度の一件だ。養子は家出する、家付きの娘は自害する。それではどうにも仕様があるまい」
「いっそ先月の時に、おとなりの家が潰れてしまったら、こんな事にもならなかったのでしょうに……」
「今更そんなことを云っても仕方がない。なにしろ娘が悪いのだ。幸之助も悪いが、お北も悪い。つまりは両成敗で型を付けるよりほかないのだ。おれはもう覚悟している。おまえ達もそのつもりでいろ」
「今も云い聞かせた通りの次第だが、おれは勤めのある身の上だ。御用をよそにして娘のゆくえを尋ね歩いてはいられない。おまえは部屋住みだ。これから江戸じゅうを毎日探し歩いて、姉の隠れ場所を見つけて来い。途中で出逢ったらば、無理に連れて帰って来い」


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