GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』
現代語化
「やあ、ご苦労さん」
「とんでもねえ、寒すぎだろ」
「お疲れさまです」
「いくら巡回場所とはいえ、こんなとこ真面目に回らなくてもいいだろ。この辺は悪いキツネが出るぜ」
「大丈夫ですよ、キツネとは顔なじみなんで」
「今夜はご機嫌いいみたいですね」
「別にそんなことないよ。たかが知れた金でちょっと酒飲んで、今から帰ると門番に文句言われて、番頭さんに怒られて、最悪だよ」
「でも、お前にはお近さんっていい女がいるじゃないか」
「おい、余計なこと言うな」
「お近さんって……」
「お近さんって、お屋敷のお近さんのことですか?」
「ああ、そうだよ」
原文 (会話文抽出)
「今晩は」
「やあ、御苦労だな」
「べらぼうに寒いじゃあねえか」
「お寒うございますな」
「いくら廻り場所だって、こんなところを正直に廻ることもあるめえ。ここらにゃあ悪い狐がいるぜ」
「なに、狐の方でもお馴染だから大丈夫ですよ」
「おまえさん方は今夜も御機嫌ですね」
「あんまり御機嫌でもねえ。無けなしの銭でちっとばかりの酒を飲んで、これから帰ると門番に文句を云われて、御用人に叱られて、どうで碌なことじゃあねえのさ」
「そう云っても、こいつにはお近さんと云ういい年増が付いているのだから仕合わせだよ」
「ええ、つまらねえことを云うな」
「お近さん……」
「お近さんと云うのは、お屋敷のお近さんですかえ」
「むむ、そうだ」