岡本綺堂 『半七捕物帳』 「なんだかお天気がはっきりしないので困りま…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「天気がはっきりしなくて困りますね。せっかくの三社様も昨日の宵宮はとうとう雨に降られてしまいました。今日もどうでしょうか」
「全くいけませんでしたね。雨でも決行するそうなので、私もこれからちょっと行ってみようかと思ってるんです。少し雲が切れてきてますから、午後は晴れると思いますが、花時なので安心できませんよ」
「では、これから浅草へお出かけになるんですか?」
「お祭りが今年はかなり賑やかみたいですね。それに一軒お呼ばれしてる家があるので、まあちょっと顔を出してもいいかなと思って……」
「ああ、そうなんですか」
「番頭さん。何かご用ですか?」
「はい」
「実はちょっとお願いしたいことがあって来ましたんですが、出先でのお邪魔は悪いので、夜か明朝また来ようかと思ってるんです」
「いや、構いませんよ。もともと祭り見物で、一刻半刻を争う用事ではありませんから、せっかく来たんですから話しましょう。あなたも忙しいでしょうし、何度も来るのは大変でしょうから、遠慮なく話してください」
「お差し支えなければ」
「全然構いません。一体どんなご用ですか?何か商売上のことですか」

原文 (会話文抽出)

「なんだかお天気がはっきりしないので困ります。折角の三社様もきのうの宵宮はとうとう降られてしまいました。きょうもどうでございましょうか」
「全くいけませんでしたね。降っても構わずにやるというから、わたしもこれからちょいと行って見ようかと思っているんですがね。少し雲切れがしているから、午過ぎからは明るくなるかと思いますが、なにしろ花時ですから不安心ですよ」
「では、これから浅草へお出かけになるのでございますか」
「お祭りがことしはなかなか賑やかに出来たそうですからね。それに一軒呼ばれている家がありますから、まあちょいと顔出しをしなくっても悪かろうと思って……」
「はあ、左様でございますか」
「番頭さん。なにか御用ですかえ」
「はい」
「実は少々おねがい申したいことがあって出ましたのでございますが、お出さきのお邪魔をいたしては悪うございますから、夜分か明朝また出直して伺うことに致しましょうかと存じます」
「なに、構いませんよ。もともとお祭り見物で、一刻半刻をあらそう用じゃあないんですから、なんだか知らないが伺おうじゃありませんか。おまえさんも忙がしいからだで幾たびも出て来るのは迷惑でしょうから、遠慮なく話してください」
「お差し支えございますまいか」
「ちっとも構いません。いったいどんな御用です。なにか御商売上のことですか」


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