岡本綺堂 『半七捕物帳』 「親分さん。まことに申し訳ございません。早…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「親分。申し訳ありません。すぐに調べたいんですけど、稲川様のお屋敷の方がまだ返事がなくて……」
「用人さんが一緒に行ってくれないんですか?」
「年末は忙しいから、そんなところに来れないから、来年の2月後半まで待ってくれって言うんです……。無理も言えないんで、困ってます」
「それは困ったね。年末ってまだ20日も前なのに、そんなに忙しくないでしょ……」
「私もそう思うんですけど、向こうがそう言うんで……」
「いや、そういうこともありますよ」
「向こうがそう言うなら、こっちも考えますよ。もう大体は見当ついてるんで」
「親分、わかりました」
「分かったのか」
「万助をしらべてたら、全部わかりました。偽物を売った古道具屋は御成道の横町で、店主は左のこめかみに禿があります」

原文 (会話文抽出)

「親分さん。まことに申し訳ございません。早速うかがいたいと存じて居りますのですが、なにぶんにも稲川様のお屋敷の方が埒が明きませんので……」
「御用人が一緒に行ってくれないんですかえ」
「年末は御用繁多で、とてもそんな所へ出向いてはいられないから、来春の十五日過ぎ頃まで待っていろと仰しゃるので……。それを無理にとも申し兼ねて、わたくしの方でも困って居ります」
「そりゃあまったく困りましたね。年末と云ったってまだ二十日前だから、そんなに忙がしいこともあるまいに……」
「わたくしもそう思うのですが、なにぶんにも先方でそう仰しゃるもんですから……」
「いや、ようございます」
「向うでそう云うなら、こっちにも又考えがあります。まあ、御安心なさい。もう大抵の見当はつきましたから」
「親分、わかりました」
「判ったか」
「万助の奴をしらべて、すっかり判りました。贋物を売った古道具屋は御成道の横町で、亭主は左の小鬢に禿があるそうです」


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