GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』
現代語化
「どっちにしても、稲川の屋敷のものかどうか、よく調べなきゃいけませんよ。間違ったら大変でしょ。あなたが見ても間違いないでしょうけど、念のため稲川の屋敷の用人を連れて行ったらどうですか。2人なら間違いないでしょ。でも、最初からそんなこと言っちゃうと、万が一違ったら気まずくないですか?」
「ごもっともでございます。主人も、間違ったら困ると心配していました」
「だから、あなたが用人を連れて行って、うまく話してください。このお方は絵が大好きで、探幽の名作があると聞いて、ぜひ見たいと申したので、案内しましたとか何とか言えば、向こうも自慢だから喜んで見せるでしょう。でも、何か理由つけて見せないようなら怪しいですよね。そうなったら、堂々と調べられます。どっちにしても、用人を連れて一度見て来てください」
「承知しました」
原文 (会話文抽出)
「そうかも知れませんね」
「どっちにしても、それが確かに稲川の屋敷の品だかどうだか、それをよく詮議して置かなければなりませんよ。さもないと、物が間違いますからね。おまえさんがみれば間違いもなかろうが、念のために稲川の屋敷の御用人を一緒に連れて行ったらどうです。二人がみれば間違いはありますまい。だが、最初から表向きにそんなことを云って、万一違っていた時には、おたがいに気まずい思いをしなければなりませんからね」
「ごもっともでございます。主人も、もし間違った時に困ると心配して居りました」
「それだから、おまえさんが御用人を連れて行って、うまく話し込むんですね。このお方は書画が大変にお好きで、こちらに探幽の名作があるということを手前の主人から聞きまして、ぜひ一度拝見したいと申されるので、押し掛けながら御案内しましたとか何とか云えば、向うも大自慢だから喜んで見せるでしょう。もし又なんとか理窟を云って、飽くまでも見せるのを拒むようならばちっとおかしい。ねえ、そうじゃありませんか。そうなれば、また踏ん込んで表向きに詮議も出来ます。どっちにしても、御用人を連れて行って一度見て来てください」
「承知いたしました」