岡本綺堂 『半七捕物帳』 「御用人もしきりに心配しておいでなさる。ど…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「御用人さんも心配してますよ。どう?何か手がかりは?」
「はい。もう分かりました。安心してください」
「分かりましたか」
「それで、若殿はどこに……」
「屋敷の中に……」
「え、屋敷の中にいるんですか?それはどういうわけですか」
「屋敷の小姓に山崎平助っていう人がいるでしょ。こないだの朝、若殿と一緒に出て行った人です。その人は屋敷の離れに住んでますが……」
「その離れの戸棚の中に若殿が隠れてるんです。食事は提重のお安っていう女が重箱に入れて毎日運んでるそうです」
「なんでまた、若殿をそんなところに隠してるんですかね。誰が考えたんでしょう」
「奥様の指示らしいですね」
「奥様……」

原文 (会話文抽出)

「御用人もしきりに心配しておいでなさる。どうだ、少しは当りが付いたか」
「へえ。もうすっかり判りました。御安心なさいまし」
「判りましたか」
「そうして、若殿はどこに……」
「お屋敷の中に……」
「なに、屋敷の中にいる。それは又どういう訳だ」
「お屋敷の中小姓に山崎平助という人がございましょう。このあいだの朝、若殿様のお供をして行った人です。その人はお屋敷のお長屋に住まっている筈ですが……」
「そのお長屋の戸棚のなかに若殿様は隠れておいでの筈です。三度の喫り物は、提重のお安という女が重箱に忍ばせて、外から毎日運んでいるそうです」
「なぜ又、若殿をそんなところに隠して置くんだろう。一体、誰がそんなことを考えたんだろう」
「それは奥様のお指図のように聞いています」
「奥様……」


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