GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』
現代語化
「どうですか、相変わらずご繁盛のようですね」
「おかげさまでどうにか店を構えてるけど、なにしろ御停止の50日が明けないうちは、まぁ商売休みも同然だ。そこで、さっそくだけど、おまえら2人は竜濤寺の一件で出張ってきたんだろうが、あいつはちとやっかいな奴だな」
「俺たちの縄張りの内の仕事じゃありませんが、なにしろ事件が大きいから、ひと通りは調べてこい、と御寺社の方から声がかかったものですから、何がなんだか夢中で飛び出してきました。いずれ名主さんのところにも顔を出すつもりですが、それよりもまあ緑屋さんへ早く挨拶に行って、何か指示を受けた方がよかろうというので、とりあえずお邪魔に来たようなわけで……」
「いかん、いかん。相変わらず気の利いたことを言って、人を煽っちゃいかん。堅気になってもう10年、すっかり老い込んだ甚右衛門が、駆け出しのお前らに何の指示ができるもんか。だが、よく尋ねてきてくれた。まあ、ゆっくりおしなよ。一杯やりながら何か相談しようじゃないか」
原文 (会話文抽出)
「やあ、三河町、めずらしいな。まあ、あがんなせえ。松さんも一緒だね。御苦労、御苦労。おまえさん達が繋がって来た筋は大抵わかっている。まったく騒々しくって、どうもいけねえ」
「どうです、相変らず御繁昌のようですね」
「お蔭でどうにか店を張っているが、なにしろ御停止の五十日が明けねえうちは、まあ商売休みも同然だ。そこで、早速だが、おまえさん達は竜濤寺の一件で出張って来なすったんだろうが、あいつはちっと難物だね」
「わたし達の縄張りの内の仕事じゃあありませんが、なにしろ事件が大きいから、ひと通りは調べて来いと、御寺社の方から声がかかったものですから、何がなんだか夢中で飛び出して来ました。いずれ名主さんのところへ顔出しをする積りですが、それよりもまあ緑屋さんへ早く挨拶に行って、なにかの指図を受けた方がよかろうというので、取りあえずお邪魔に来たようなわけで……」
「いけねえ、いけねえ。相変わらず如才ねえことを云って、ひとを煽てちゃあいけねえ。堅気になってもう十年、めっきり老い込んでしまった甚右衛門が、売り出しのお前さん達に何の指図が出来るもんか。だが、よく尋ねて来てくんなすった。まあ、ゆっくりおしなせえ。一杯やりながら何かの相談をしようじゃあねえか」