夢野久作 『雨ふり坊主』 「お父さんは」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夢野久作 『雨ふり坊主』

現代語化

「お父さんは」
「稲が枯れそうだから田んぼを見に行ってるんだよ」
「お父さん、お父さん。雨が降らないから心配してらっしゃるの」
「うん。どこの空を見ても雲が1つも無い。困ったことだ」
「僕が雨を降らせてあげましょうか」
「ははは。ばかなこと言うなよ。お前が雨を降らせるなんて」
「でもお父さん」
「この間、運動会の前の日まで雨が降ってたでしょう。それに僕がてるてる坊主を作ったら、いい天気になったでしょ」
「うん」
「あの時みんながすごく喜んでたから、僕のてるてる坊主がお天気にしたんだって言ったら、みんなすごいって言ってましたよ」
「ははは。そうか。てるてる坊主がお前の言うことをそんなに聞くのか」
「聞きますとも。だから今度は雨降り坊主を作って、雨が降るように頼もうと思うんです」
「ははは。それはみんな喜ぶだろう。やってみろ。雨が降ったらご褒美をやるぞ」
「僕はいらないから、雨降り坊主にあげてください」
「てるてる坊主てる坊主 お天気にするのが上手なら 雨降らすのも上手だろ 田んぼがみんな干からびて 稲がすっかり枯れてゆく 雨を降らしてくれないか 僕の父さん母さんも ほかの農家の人たちも どんなに喜ぶことだろう もしも降らせぬそのときは 嘘つきぼうずと名を書いて 猫のおもちゃにしてしまう それがいやなら明日から どっさり雨を降らせろよ 褒美にお酒をかけてやる 雨降り坊主フリ坊主 田んぼもお池もいっぱいにして どっさり雨を降らせろよ」

原文 (会話文抽出)

「お父さんは」
「稲が枯れそうだから田を見に行っていらっしゃるのだよ」
「お父さん、お父さん。雨が降らないから心配してらっしゃるの」
「ウン。どっちの空を見ても雲は一つも無い。困ったことだ」
「僕が雨をふらして上げましょうか」
「アハハハ。馬鹿な事を云うな。お前の力で雨がふるものか」
「でもお父さん」
「この間、運動会の前の日まで雨が降っていたでしょう。それに僕がテルテル坊主を作ったら、いいお天気になったでしょう」
「ウン」
「あの時みんなが大変喜びましたから、僕のテルテル坊主がお天気にしたんだって云ったら、皆えらいなあって云いましたよ」
「アハハハハ。そうか。テルテル坊主はお前の云うことをそんなによくきくのか」
「ききますとも。ですから今度は雨ふり坊主を作って、僕が雨を降らせるように頼もうと思うんです」
「アハハハハ。そりゃあみんなよろこぶだろう。やってみろ。雨がふったら御褒美をやるぞ」
「僕はいりませんから、雨降り坊主にやって下さい」
「テルテル坊主テル坊主 天気にするのが上手なら 雨ふらすのも上手だろ 田圃がみんな乾上って 稲がすっかり枯れてゆく 雨をふらしてくれないか 僕の父さん母さんも ほかの百姓さんたちも どんなに喜ぶことだろう もしも降らせぬそのときは 嘘つきぼうずと名を書いて 猫のオモチャにしてしまう それがいやなら明日から ドッサリ雨をふらせろよ 褒美にお酒をかけてやる 雨ふり坊主フリ坊主 田圃もお池も一パイに ドッサリ雨をふらせろよ」


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