GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 島崎藤村 『新生』
現代語化
「俺からすれば、そんなもんもらっても何も変わんない。謹慎中だし。兄ちゃんがまだ仕事終わってないって言うんなら、この手紙持ってく?」
「おう、俺がもってくわ」
「兄弟の縁を切るなんて簡単にできねーよな」
「まぁ他の親戚がどう思うかは知らんけど、俺はそんな悪い奴じゃねーよ」
「告白するところは正直なとこあるな」
「お前も、なんか立派な仕事してこの恥を返せや」
「立派な仕事って言うけど、節ちゃんをここまで連れてきただけでも俺にとっては立派な仕事だったよ――人間がやることなんてたかが知れてんだ――まぁ、節ちゃんのことはよろしく頼むわ――俺はどうにかここまで辿り着いたようなもんで――」
「そらそーだろ、お前ら結婚できねーんだからな。心の中で思う分には思うだけ自由だ――そら自由だ」
原文 (会話文抽出)
「義雄さんからこういうものが来ています」
「私の方から言えば、こういうものを頂戴して置くのも、自分から勘当を受けるのも、謹慎している意味に変りは無いようなものです。もし兄さんの役目が済まないという御考えでしたら、この手紙を持って行って頂きましょうか」
「よし。俺がそれを預かって行こう」
「兄弟の縁を切るなんてことは容易なことじゃ有りません」
「まあ他の親戚が聞いたら何と思うか知りませんが、私はそれほど悪い人間じゃありませんよ」
「白状するだけ、まだそれでも正直なところが有るかナ」
「貴様もまあ、何か立派な仕事でもして、この不名誉を回復するがいい」
「立派な仕事なんて言いますけれど、あそこまで節ちゃんを連れて来たことが私には可成な仕事でした――どうせ、人間の為ることです、そう大したことの出来よう筈もありません――まあ、節ちゃんのことは宜しく御願い申します――私はどうにかこうにかここまで漕付けて来たようなものなんです――」
「そりゃどうせ貴様等は結婚することは出来ないんだからなあ。心で思ってる分には、幾ら思っていたって差支はない――そりゃ差支はない」