島崎藤村 『新生』 「お父さんが、いずれこの御返事は後から致し…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 島崎藤村 『新生』

現代語化

「お父さんが、いずれこのお返事は後からしますってー」
「節ちゃんはもう叔父さんのところへお手伝いにはあげませんから、そのつもりでいてください」
「承知しました」
「それから、お父さんが叔父さんにそう言ってくださいー『青くなったり、赤くなったりして、自分のやったことを書かなければ食えないかと思うと、気の毒な商売だ』って、そう言ってくださいってー」
「祖母さんにも話してくれたのかなー」
「それですよ」
「祖母さんに黙っていては悪いだろうと思って、私から節ちゃんのことを話しました。どうして祖母さんは、悟りでも開いたような顔をして、そんな話を聞いてもそれは平常通りでしたよ……叔父さんのお手紙も私も見ましたがね、何にしてもかわいそうなのは節ちゃんです。子どもがいると、なかなか忘れられないものだそうです」

原文 (会話文抽出)

「お父さんが、いずれこの御返事は後から致しますッて――」
「節ちゃんはもう叔父さんのところへお手伝いには上げませんから、そのお積りでいらっして下さい」
「それは承知しました」
「それから、お父さんが叔父さんにそう言って下さいッて――『青くなったり、赤くなったりして、自分の為た事を書かなければ食えないかと思うと、御気の毒な商売だ』ッて、そう言って下さいッて――」
「祖母さんにも話してくれたかね――」
「それですよ」
「祖母さんに黙って置いては悪かろうと思いまして、私から節ちゃんのことを話しました。どうして祖母さんは、悟でも開いたような顔をして、そんな話を聞いてもそれは平常の通りでしたよ……叔父さんの御手紙は私も拝見しましたがね、何にしても可哀そうなものは節ちゃんです。子供があると、なかなか忘れられないものだそうです」


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