GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 島崎藤村 『新生』
現代語化
「行くよ」
「父さん」
「寮から学校行けるの?」
「行けるよ」
「ご飯もそこでくれるの?」
「くれるよ。寮ってそういうところだもん。その代わり、寮に入ったら、お前たちは父さんの食べるもの食べなきゃいけないよ。あれが嫌だ、これが嫌だって言えない。出されたもの食べないといけないよ。それでもいい?」
「うん、いいよ」
「寮には他の人もいるからね。そこで繁ちゃんみたいに騒いだら大変だよ。ちゃんと直らないと。大きな声で怒鳴ったり、障子破ったりしたら、一日で追い出されちゃうよ」
「寮に行けば、俺だって直るよ」
「あらら、もっと早く直したらいいのに」
原文 (会話文抽出)
「どうだね、父さんはお前達を寄宿舎へ連れて行こうと思うが。義雄伯父さんのところからは近いうちに祖母さんを返してよこしてくれと言って来てるし、どうしてもこの家は止さなけりゃ成らない。他には母さんが有るからああしてみんな家から学校へ通っているんだけれどお前達には母さんが無いだろう。そこで父さんは寄宿舎を思いついた。父さんがお前達と一緒にその寄宿舎へ入るんだぜ。どうだね、父さんと一緒に行くかね」
「行くよ」
「父さん」
「寄宿舎から学校へ行かれる?」
「それゃ行かれるとも」
「御飯もそこで食べさせてくれる?」
「食べさせるとも。そのための寄宿舎だ。そのかわり寄宿舎へ入ったら、お前達は父さんの食べる物を食べなくちゃいけない。あれが厭だ、これが厭だなんてことは、寄宿舎では言えない。出すものを食わなけりゃ成らない。それでもお前達は可いかね」
「ああ、可いとも」
「寄宿舎には他に人も居るんだぜ。そこへ行って繁ちゃん見たいにあばれたら、それこそ大変だ。余程改良しなけりゃ。あんな大きな声を出して怒鳴ったり、障子を破いたりなんかしようものなら、一日でお断りを食う」
「寄宿舎へ行けば、僕だって改良するサ」
「オヤオヤ、もっと早く改良なされば可いのに」