島崎藤村 『新生』 「こいつは自分で飲むつもりだったが、まあそ…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 島崎藤村 『新生』

現代語化

「これは自分で飲むつもりだったが、まあそっちにあげよう。下手な薬なんかよりむしろこっちの方がいい。毎日少しずつ飲んでくれ」
「節ちゃんはそんなにひどく痩せたようには思えないが――」
「それでも前から比べるとずっと痩せたよね。お前はもともと痩せた人じゃなかったっけ」
「前はこれでももっと太ってたんですよ」
「おばあさんがよくそう言うよ――『あんなに太ってた娘がどうしてそんなに痩せてしまった』って」
「お前の髪だって、そんなに切れてないじゃないか。そんなにあれば十分でしょう。お前がパリに送ってきた手紙には、心細いほど赤く短く切れてしまったって書いてあったっけ」
「やっとこれくらいになったんですよ――」

原文 (会話文抽出)

「こいつは自分で飲むつもりだったが、まあそっちへ進げる。下手な薬なぞよりは反ってこの方が好い。毎日すこしずつお上り」
「節ちゃんはそんなに酷く瘠せたようにも思われないが――」
「それでも前から比べるとずっと瘠せたかねえ。お前は元から瘠せたような人じゃなかったか」
「前にはこれでも肥っていましたとも」
「祖母さんがよくそう言いますよ――『あんなに肥っていた娘がどうしてそんなに瘠せてしまった』ッて」
「お前の髪の毛だって、そんなに切れてもいないじゃないか。そんなに有れば沢山じゃないか。お前が巴里へよこした手紙には、心細いほど赤く短く切れちゃったなんて書いてあったっけが」
「漸くこれだけに成ったんですよ――」


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