GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 島崎藤村 『新生』
現代語化
「僕は、父さんだとは思わなかった」
「そうかな。父さんが分らなかったのかな」
「車の方をよく見なかったんだ――日よけがかかってて、よく見えなかったんだ――」
「泉ちゃんや繁ちゃんはよくお清書とか絵を父さんのところに送ってくれたね。日本の字って筆で大きく書くでしょ。外国ではペンだよね。泉ちゃんのお清書なんかを外国で見ると、字が大きくて、珍しいくらいだったよ。そうそう、よくお前たちから手紙なんかももらったっけね」
原文 (会話文抽出)
「父さんが帰って来た時、車の上から繁ちゃんに声を掛けたろう。父さんには直ぐ繁ちゃんだということが分った。あの時、お前は妙な返事をして馳出して行ったじゃないか」
「僕は、父さんだとは思わなかった」
「そうかねえ。父さんが分らなかったかねえ」
「車の方をよく見なかったもの――日除が掛ってて、よく見えなかったもの――」
「泉ちゃんや繁ちゃんはお清書だの図画だのをよく父さんのところへ送ってよこしてくれたね。日本の字は筆で大きく書くだろう。外国ではお前、みんなペンだろう。泉ちゃんのお清書なぞを外国で見ると、字が大きくて、めずらしいくらいだったよ。そう、そう、よくお前達からお手紙なぞも貰ったっけね」