GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 島崎藤村 『新生』
現代語化
「それで岸本さんもまんざら遊ぶのが嫌いなわけじゃないんだね」
「人の行くところにはどこでも行くし、みんなで集まって話そうじゃないかとかって時に、徹夜の発起人はいつも岸本さんだ。『色地蔵』だなんて岸本さんにはあだ名までついてるから面白い。恋の取り持ちとか、それで喜んでやる方なんだね。そのくせ自分では眺めてればいい人だ」
「でもね、君、旅に来たからって、そんなに特別な気持ちにならなくてもいいんじゃない?国にいる時と同じ気持ちで暮らせればいいのにね」
原文 (会話文抽出)
「岸本君は巴里へ来て遊びもしないという評判じゃ有りませんか。そんなにしていて君は寂しか有りませんか」
「これで岸本さんも万更遊ぶことが嫌いな方じゃないんだね」
「人の行くところへは何処へでも行くし、皆で集って話そうじゃないかなんて場合に、徹夜の発起人は何時でも岸本さんだ。『色地蔵』だなんて岸本さんには綽名までついてるから可笑しい。恋の取持なぞは、これで悦んでする方なんだね。そのくせ自分では眺めてさえいれば可い人だ」
「だけれど、君、旅に来たからと言って、何もそんなに特別な心持に成らなくても可いじゃないか。国に居る時と同じ心持では暮せないものかねえ」