GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 島崎藤村 『新生』
現代語化
「でも、おばあさんもちゃんと見たんですもの」
「そんなことあるわけないだろ――仏壇を片付けてたら、手に血がついたなんて」
「私も変だと思ったんですけど、ネズミとかのせいじゃないかと思って、おばあさんと2人で仏さんの下まで全部調べたんですけれど……何も出てきません……」
「そんなこと気にするなよ。原因がわかれば、きっとつまらないことだよ」
「仏さんにはさっきお灯明をあげました」
「お前らしくないな」
「輝がいたときにも、ほら、1度変なことがあったじゃない。お姉さんの枕元に田舎にいるおばあさんが出てきたなんて……あのときは君も青くなってた。ほんと、君たちは時々叔父さんをびっくりさせる」
原文 (会話文抽出)
「そんな馬鹿な――」
「でも、婆やまでちゃんと見たんですもの」
「そんな事が有りようが無いじゃないか――仏壇を片付けていたら、手へ血が附着いたなんて」
「私も変に思いましたからね、鼠かなんかの故じゃないかと思って、婆やと二人で仏さまの下まですっかり調べて見たんですけれど……何物も出て来やしません……」
「そんなことを気にするものじゃないよ。原因が分って見ると、きっとツマラないことなんだよ」
「仏さまへは今、お燈明をあげました」
「お前にも似合わないじゃないか」
「輝が居た時分にも、ホラ、一度妙な事があったぜ。姉さんの枕許へ国の方に居る祖母さんが出て来たなんて……あの時はお前まで蒼くなっちまった。ほんとに、お前達はときどき叔父さんをびっくりさせる」