島崎藤村 『新生』 「こうして経って見れば造作もないようなもの…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 島崎藤村 『新生』

現代語化

「こうして経ってみれば簡単なようだけど、3年間の子守は大変だったよ。これまでで1番大変だった。叔母さんが亡くなったときは、一番上のお泉ちゃんがまだ6歳だったからね。暑い夏の頃で、汗疹みたいなのが1人にできると、すぐ他の子供にもうつっちゃって――節ちゃんはあの頃のことを知らないだろうけど、6歳を筆頭に4人も泣き出されたときは、対処できなかったよ。ときどき、子供に熱が出た。夜中に医者のところへ駆け込んだこともある。あの頃は、叔父さんもろくに寝られなかったね……」
「そうでしょうね」
「あの頃から比べると、ずいぶん楽になったよ。もう少しの辛抱なんだろうね」
「繁ちゃんが学校に行くようになればね」
「どうぞ、よろしくお願いいたします」

原文 (会話文抽出)

「こうして経って見れば造作もないようなものだがね、三年の子守はなかなかえらかった。これまでにするのが容易じゃなかった。叔母さんの亡くなった時は、なにしろ一番年長の泉ちゃんが六歳にしか成らないんだからね。熱い夏の頃ではあり、汗疹のようなものが一人に出来ると、そいつが他の子供にまで伝染っちゃって――節ちゃんはあの時分のことをよく知らないだろうが、六歳を頭に四人の子供に泣出された時は、一寸手の着けようが無かったね。どうかすると、子供に熱が出る。夜中にお医者さまの家を叩き起しに行ったこともある。あの時分は、叔父さんもろくろく寝なかった……」
「そうでしたろうね」
「あの時分から見ると、余程これでも楽に成った方だよ。もう少しの辛抱だろうと思うね」
「繁ちゃんが学校へ行くようにでも成ればねえ」
「どうかまあ、宜しくお願い申します」


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