島崎藤村 『並木』 「好きな人は解るものと見えるね」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 島崎藤村 『並木』

現代語化

「好きな人はわかるものみたいだね」
「ところで、原君、長いこと田舎にいたけど、勉強したんでしょ?」
「僕?」
「僕なんかは新しい本を読まないよ。こないだイギリスの永田君から手紙が来たけど、僕たちはチョンマゲ仲間だって――」
「謙遜しなくていいよ。バルザックやゾラなんかを読み始めたの、君の方が僕より早かったじゃない――ほら見て」
「あの頃は熱中してた」
「君の方が勉強したよ。君は大陸通だって評判だよ」
「大陸通ってほどではないけど、ロシアの小説はだいぶ集めたよ」
「最近またツルゲーネフを読み始めて。晩年の作品、「ヴァージン・ソイル」ってやつ」<ctrl99>

原文 (会話文抽出)

「好きな人は解るものと見えるね」
「それはそうと、原君、長く田舎に居て随分勉強したろうね」
「僕かい」
「僕なぞは別に新しいものを読まないさ。此頃も英吉利の永田君から手紙が来たがね、お互いにチョン髷党だッて――」
「そう謙遜したものでもなかろう。バルザックやドウデエなぞを読出したのは、君の方が僕より早いぜ――見給え」
「あの時分は夢中だった」
「君こそ勉強したろう。君は大陸通だ、という評判だ」
「大陸通という程でも無いがね、まあ露西亜物は大分集めた」
「この節、復たツルゲネエフを読出した。晩年の作で、ホラ、「ヴァジン・ソイル」


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