夏目漱石 『三四郎』 「なに、ゆうべは行ったんだ。行ったんだ。君…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『三四郎』

現代語化

「マジか。昨日行ったんだって?お前がステージに出て、美禰子ちゃんと遠くで話してたのも見たよ」
「熱ヤバイ。薬飲まなきゃ。風邪ひいたみたい」
「演芸場がクソ暑くて明るすぎて、外出たら急に寒すぎて暗すぎてやばかった。アレはダメ」
「ダメっても仕方ないだろ」
「仕方ないってダメだろ」
「お前、ここに居るのか」
「風邪でしょ?」
「風邪でしょ?」
「お前、前に美禰子さんのこと知ってるかって聞かれたよね」
「美禰子さんのこと?どこで?」
「学校」
「学校?いつ?」
「まぁ、そんな話があったかも」
「それじゃね?美禰子さんが嫁に行くって話じゃないの?」
「決まったの?」
「決まったって聞いたけど、よくわかんない」
「野々宮さんのところ?」
「いや、野々宮さんじゃない」
「じゃ……」
「お前、知ってるの?」
「知らない」
「なんかよくわかんない。なんか変なことがあるみたい。もう少し様子見ないとどうなるとか見当つかない」

原文 (会話文抽出)

「なに、ゆうべは行ったんだ。行ったんだ。君が舞台の上に出てきて、美禰子さんと、遠くで話をしていたのも、ちゃんと知っている」
「だいぶ熱がある。薬を飲まなくっちゃいけない。風邪を引いたんだ」
「演芸場があまり暑すぎて、明るすぎて、そうして外へ出ると、急に寒すぎて、暗すぎるからだ。あれはよくない」
「いけないたって、しかたがないじゃないか」
「しかたがないったって、いけない」
「君、そこにいるのか」
「風邪だろう」
「風邪だろう」
「君、このあいだ美禰子さんの事を知ってるかとぼくに尋ねたね」
「美禰子さんの事を? どこで?」
「学校で」
「学校で? いつ」
「なるほどそんな事があったかもしれない」
「じゃ、なんじゃないか。美禰子さんが嫁に行くという話じゃないか」
「きまったのか」
「きまったように聞いたが、よくわからない」
「野々宮さんの所か」
「いや、野々宮さんじゃない」
「じゃ……」
「君、知ってるのか」
「知らない」
「どうもよくわからない。不思議な事があるんだが。もう少したたないと、どうなるんだか見当がつかない」


青空文庫現代語化 Home リスト