GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『三四郎』
現代語化
「借りっぱなしにするのは嫌だから、家にそう言ったんだ」
「お前は嫌でも、向こうは喜ぶよ」
「なんで?」
「当たり前だろ。俺を例に出しても同じだ。俺に金が余ってるとする。そうしたら、お前から金を返してもらうより、お前に貸しておいた方が気持ちいいに決まってる。人間はね、自分が困らない程度なら、なるべく人に親切にしてあげたくなるもんなんだよ」
「俺だって金のある時はよく人に貸したけど、誰も返さなかったよ。だから俺は今こんなにもケロッとしてられるんだ」
原文 (会話文抽出)
「だからいつまでも借りておいてやれと言ったのに。よけいな事をして年寄りには心配をかける。宗八さんにはお談義をされる。これくらい愚な事はない」
「いつまでも借りておくのは、いやだから、家へそう言ってやったんだ」
「君はいやでも、向こうでは喜ぶよ」
「なぜ」
「あたりまえじゃないか。ぼくを人にしたって、同じことだ。ぼくに金が余っているとするぜ。そうすれば、その金を君から返してもらうよりも、君に貸しておくほうがいい心持ちだ。人間はね、自分が困らない程度内で、なるべく人に親切がしてみたいものだ」
「おれだって、金のある時はたびたび人に貸したことがある。しかしだれもけっして返したものがない。それだからおれはこのとおり愉快だ」