GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『三四郎』
現代語化
「アホか。発起人ってお飾りだよ。俺がそういう集まりを企てて、それで俺が原口さんを誘って、全部原口さんに取りまとめてもらってるんだ」
「そうなんだ」
「そうなんだって田舎くせえな。ちなみに、お前もその集まりに出席したらいいよ。もう近いうちにあるはずだから」
「そんな偉い人ばっかり出る所に行っても意味ないよ。俺はパスする」
「また田舎くせえこと言い出すな。偉い人も偉くない人も、世間に出てくる順番が違うだけだ。あんな連中、博士だの学士だのって言っても、実際に会って話せば大したことないよ。そもそも向こうもお前を偉いと思ったりはしてないよ。ぜひ出席しておけよ。お前のためになるから」
「どこで開催するんだ?」
「たぶん上野の精養軒だろう」
「俺はあんなところ、入ったことない。たぶん会費高いんだろうな」
「まあ2円くらいだろう。どうせ会費なんて、心配いらねえよ。足りなければ俺が払っておくから」
原文 (会話文抽出)
「そういう意味があるのか、ちっとも知らなかった。それで君が発起人だというんだが、会をやる時、君の名前で通知を出して、そういう偉い人たちがみんな寄って来るのかな」
「ばかいっちゃいけない。発起人って、おもてむきの発起人じゃない。ただぼくがそういう会を企てたのだ。つまりぼくが原口さんを勧めて、万事原口さんが周旋するようにこしらえたのだ」
「そうか」
「そうかは田臭だね。時に君もあの会へ出るがいい。もう近いうちにあるはずだから」
「そんな偉い人ばかり出る所へ行ったってしかたがない。ぼくはよそう」
「また田臭を放った。偉い人も偉くない人も社会へ頭を出した順序が違うだけだ。なにあんな連中、博士とか学士とかいったって、会って話してみるとなんでもないものだよ。第一向こうがそう偉いともなんとも思ってやしない。ぜひ出ておくがいい。君の将来のためだから」
「どこであるのか」
「たぶん上野の精養軒になるだろう」
「ぼくはあんな所へ、はいったことがない。高い会費を取るんだろう」
「まあ二円ぐらいだろう。なに会費なんか、心配しなくってもいい。なければぼくがだしておくから」