夏目漱石 『三四郎』 「これは、どうしても俗謡でいかなくっちゃだ…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『三四郎』

現代語化

「これは、どうしても俗謡でないとダメですよ。句の感じが俗謡なんです」
「ちょっと無理ですけど、こういうのどうでしょう。可哀想だった惚れたってことよ」
「ダメ、ダメ、下品すぎる」
「もう大体片付きましたか?」
「まだ片付いてませんよ」
「ちょっと手伝いましょうか?」
「結構賑やかなようですね。何か面白いことでもあるんですか?」
「今僕が翻訳して先生に怒られたところです」
「翻訳を? どんな翻訳ですか?」
「つまらないの――可哀想だった惚れたってことよって言ったんです」
「へぇ」
「一体それは何ですか。僕には意味がわかりません」
「誰にもわからないさ」
「いや、ちょっと言葉詰めすぎたんです――普通言うと、こうです。可哀想だとは惚れたということよ」
「アハハハ。で、その原文は何て言うんですか?」
「Pity's akin to love」
「なるほど上手い訳ですね」

原文 (会話文抽出)

「これは、どうしても俗謡でいかなくっちゃだめですよ。句の趣が俗謡だもの」
「少しむりですがね、こういうなどうでしょう。かあいそうだたほれたってことよ」
「いかん、いかん、下劣の極だ」
「もうたいてい片づいたんですか」
「まだ片づきませんよ」
「少し手伝っていただきましょうか」
「だいぶにぎやかなようですね。何かおもしろい事がありますか」
「今ぼくが翻訳をして先生にしかられたところです」
「翻訳を? どんな翻訳ですか」
「なにつまらない――かわいそうだたほれたってことよというんです」
「へえ」
「いったいそりゃなんですか。ぼくにゃ意味がわからない」
「だれだってわからんさ」
「いや、少し言葉をつめすぎたから――あたりまえにのばすと、こうです。かあいそうだとはほれたということよ」
「アハハハ。そうしてその原文はなんというのです」
「Pity's akin to love」
「なるほどうまい訳だ」


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