GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『野分』
現代語化
「もう一度足立さんに頼んでみたらどうですか」
「面倒くさい人に頼んでも仕方がないよ」
「あなたはいつもそうだから困るのね。どうせ、あんなえらい方なら、すぐ簡単に書いてくれるわけないでしょうし……」
「あんなえらい方って――足立のこと?」
「あなたもえらいけど――でもあの人は大学教授だから頭を下げても損はないでしょう」
「そうか、それならお前の言うとおり、もう一回頼んでみようか。――ところで今何時だ。やばい、ちょっと会社に行って校正してこなきゃいけない。袴持ってきて」
原文 (会話文抽出)
「だいぶ吹いてるな」
「もう一遍足立さんに願って御覧になったらどうでしょう」
「厭なものに頼んだって仕方がないさ」
「あなたは、それだから困るのね。どうせ、あんな、豪い方になれば、すぐ、おいそれと書いて下さる事はないでしょうから……」
「あんな豪い方って――足立がかい」
「そりゃ、あなたも豪いでしょうさ――しかし向はともかくも大学校の先生ですから頭を下げたって損はないでしょう」
「そうか、それじゃおおせに従って、もう一返頼んで見ようよ。――時に何時かな。や、大変だ、ちょっと社まで行って、校正をしてこなければならない。袴を出してくれ」