夏目漱石 『道草』 「どうせ高利なんだろう」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『道草』

現代語化

「どうせ高い利子なんだろうなあ」
「なんでも上手にやると月に三、四十円の利子になるから、それを二人で小遣いにして、これから先細く長く使うつもりだって、お姉さんがそうおっしゃってましたよ」
「失敗したらまたみんな損しちゃうだけだ。それより欲張らずに、銀行にでも預けてそこそこの利子をもらうほうが安全だけどな」
「だから確かな人に貸したいって言うんですよ」
「確かな人はそんなお金借りないよ。怖いからね」
「でも普通の利子じゃやっていけないんでしょ」
「それなら俺も借りたいなんて言わないよ」
「お兄さんも困ってるんです」
「ばかだな。お金借りて、借りてってこっちから頼むやつなんていないじゃないか。兄貴だって金は欲しいだろうけど、そんな危険なことまでして借りる必要はないよ」

原文 (会話文抽出)

「どうせ高利なんだろう」
「何でも旨く運転すると月に三、四十円の利子になるから、それを二人の小遣にして、これから先細く長く遣って行くつもりだって、御姉えさんがそう仰ゃいましたよ」
「悪くすると、またみんな損っちまうだけだ。それよりそう慾張ないで、銀行へでも預けて置いて相当の利子を取る方が安全だがな」
「だから確な人に貸したいっていうんでしょう」
「確な人はそんな金は借りないさ。怖いからね」
「だけど普通の利子じゃ遣って行けないんでしょう」
「それじゃ己だって借りるのは厭ださ」
「御兄いさんも困っていらしってよ」
「馬鹿だな。金を借りてくれ、借りてくれって、こっちから頼む奴もないじゃないか。兄貴だって金は欲しいだろうが、そんな剣呑な思いまでして借りる必要もあるまいからね」


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