夏目漱石 『道草』 「何もう好いんだ。寐てはいるが危篤でも何で…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『道草』

現代語化

「もう大丈夫なんだよ。寝てるけど、危篤でも何でもないんだ。まあ兄貴にだまされたようなもんだよ」
「だまされてもその方がずっと良いわよ、健ちゃん(比田健三)。もしものことがあったら、それこそ……」
「兄貴が悪いんじゃない。兄貴はお姉さんにだまされたんだから。そのお姉さんはまた病気のだまされたんだ。つまりみんながだまされてるようなもんだよ、世の中は。一番利口なのは比田かもしれないよ。いくら奥さんが煩くても、決してだまされないんだから」
「やっぱりうちにはいないの」
「いるもんか。でも、本当にひどい時はどうだったかは知らないけど」

原文 (会話文抽出)

「何もう好いんだ。寐てはいるが危篤でも何でもないんだ。まあ兄貴に騙されたようなものだね」
「騙されてもその方がいくら好いか知れやしませんわ、貴夫。もしもの事でもあって御覧なさい、それこそ……」
「兄貴が悪いんじゃない。兄貴は姉に騙されたんだから。その姉はまた病気に騙されたんだ。つまり皆な騙されているようなものさ、世の中は。一番利口なのは比田かも知れないよ。いくら女房が煩らったって、決して騙されないんだからね」
「やっぱり宅にいないの」
「いるもんか。尤も非道く悪かった時はどうだか知らないが」


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