GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『道草』
現代語化
「まさか」
「だって書類の方は虫に食われてるくらいだし、健ちゃん」
「そういえばそうかもな。引き出しに投げ込んだまんまで、今日までほったらかしにしてたんだから。でも、兄貴もよくこんなもの取って置いたよな。困ったことに何でも売るくせに」
「誰も買わないでしょ。そんな虫に食われた紙なんて」
「でもさ。よくゴミ箱に入れなかったってことだよね」
原文 (会話文抽出)
「あんまり古くなって、弱ったのね」
「まさか」
「だって書付の方は虫が食ってる位ですもの、貴夫」
「そういえばそうかも知れない。何しろ抽斗に投げ込んだなり、今日まで放って置いたんだから。しかし兄貴も能くまあこんなものを取って置いたものだね。困っちゃ何でも売るくせに」
「誰も買い手がないでしょう。そんな虫の食った紙なんか」
「だがさ。能く紙屑籠の中へ入れてしまわなかったという事さ」