GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『道草』
現代語化
「右健三三歳のみぎり養子に差遣し置候処平吉儀妻常と不和を生じ、遂に離別と相成候につき当時八歳の健三を当方へ引き取り今日まで十四カ年間養育致し、――あとの字が真っ赤で読めない」
「何が可笑しいの?」
「だって」
「ちょっとそこを読んでみて」
「取扱い所勤務中遠山藤と申す後家へ通じ合い候が事の起り。――何だくだらない」
「でも本当なんでしょう?」
「本当だよ」
「それが健ちゃんの8歳の時なのね。それから健ちゃんは実家に戻ったんだね」
「でも戸籍を戻さないんだ」
「あの人(お縫さん)が?」
原文 (会話文抽出)
「その縁故で貴夫はあの人の所へ養子に遣られたのね。此所にそう書いてありますよ」
「右健三三歳のみぎり養子に差遣し置候処平吉儀妻常と不和を生じ、遂に離別と相成候につき当時八歳の健三を当方へ引き取り今日まで十四カ年間養育致し、――あとは真赤でごちゃごちゃして読めないわね」
「何が可笑しいんだ」
「だって」
「ちょっと其所を読んで御覧なさい」
「取扱い所勤務中遠山藤と申す後家へ通じ合い候が事の起り。――何だ下らない」
「しかし本当なんでしょう」
「本当は本当さ」
「それが貴夫の八ツの時なのね。それから貴夫は御自分の宅へ御帰りになった訳ね」
「しかし籍を返さないんだ」
「あの人が?」