夏目漱石 『明暗』 「そんなくだくだしい事を云ってたって、お互…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『明暗』

現代語化

「そんなくどくど言ってたって、お互い顔赤にするだけで、きりがないから、もうやめようよ。その代わり私が責任を持つよ」
「責任を持つって」
「責任を持つよ。お前のプライドに対して、大丈夫だという誓約書を出すよ」
「どうして」
「どうしてって、他に誓約する方法がないから、ただ口で誓うんだよ」
「つまり私があなたを信用すると言えば、それでいいんですか。もし何かあったら引き受けてくださいと言えばいいんですか。そうすればあなたの方は、よろしい責任を持ちましたって、そう答えるんですか。どうですかねその辺で妥協はできないですか」

原文 (会話文抽出)

「そんなくだくだしい事を云ってたって、お互いに顔を赤くするだけで、際限がないから、もう止そうよ。その代りおれが受け合ったらいいだろう」
「受け合うって」
「受け合うのさ。お前の体面に対して、大丈夫だという証書を入れるのさ」
「どうして」
「どうしてって、ほかに証文の入れようもないから、ただ口で誓うのさ」
「つまりお前がおれを信用すると云いさえすれば、それでいいんだ。万一の場合が出て来た時は引き受けて下さいって云えばいいんだ。そうすればおれの方じゃ、よろしい受け合ったと、こう答えるのさ。どうだねその辺のところで妥協はできないかね」


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