GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『明暗』
現代語化
「お延さんが持ってきたんだな。妙な本だと思ったら――ところで、岡本さんは金持ちでしょ？」
「知らないよ」
「知らないわけないだろ。お延さんの実家なんだから」
「僕は岡本の財産を調べて結婚したわけじゃないよ」
「そうなのか」
「そう」
「岡本の財産を調べないで、結婚するわけないだろ」
「岡本はお延の叔父だよ。実家じゃないよ」
「そうなのか」
「そんなに岡本の財産が知りたいなら、調べてやるよ」
「へへへ」
「貧乏すると他の財産まで気になってしょうがないんだな」
「でも実際どのくらいあるんだろう？」
原文 (会話文抽出)
「ふん」
「お延さんが持って来たんだな。道理で妙な本だと思った。――時に君、岡本さんは金持だろうね」
「そんな事は知らないよ」
「知らないはずはあるまい。だってお延さんの里じゃないか」
「僕は岡本の財産を調べた上で、結婚なんかしたんじゃないよ」
「そうか」
「そうか」
「岡本の財産を調べないで、君が結婚するものか」
「岡本はお延の叔父だぜ、君知らないのか。里でも何でもありゃしないよ」
「そうか」
「そんなに岡本の財産が知りたければ、調べてやろうか」
「えへへ」
「貧乏すると他の財産まで苦になってしようがない」
「しかしいくらぐらいあるんだろう、本当のところ」